耳鼻咽喉科
概要・診療体制
概要
当科では、中耳疾患、めまい疾患、鼻・副鼻腔疾患、咽喉頭良性疾患、頭頸部悪性疾患、アレルギー疾患など幅広い疾患に対して、外来・入院診療を行っています。とくに、突発性難聴に対する高気圧酸素療法を取り入れた治療を行っています。
CT・エコーによる画像検査は、可能な限り当日に行い、迅速な診断・早期の治療に繋げています。MRも比較的早めに対応可能です。
総合病院の強みを活かし、必要に応じて他科(脳外科、内科など)の診察もスムーズに併進可能です。
※当科は、日本アレルギー学会認定教育施設です。
診療体制
横浜市立大学耳鼻咽喉科の関連病院として、河野敏朗部長を中心に医局から耳鼻咽喉科非常勤医師の応援を仰ぎ診療しています。そのため幅広い疾患に対して迅速な診断治療が可能です。当科では一般的な幅広い手術は行っておりますが、高度医療が必要な場合は迅速に横浜市立大学病院など高度専門施設にご紹介させていただいています。
主な治療・症例紹介
- 突発性難聴
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ステロイド・血管拡張薬・ビタミン剤加療に併用して高濃度の酸素カプセルに入る「高気圧酸素治療」を積極的に行っています。高気圧酸素治療には1週間程度の入院が必要となります。必要に応じて、耳の中に直接薬を注射する「鼓室内ステロイド療法」を併用しています。他、補聴器相談や聴覚障害認定も行っています。
- アレルギー鼻炎・好酸球性副鼻腔炎
- 当科はアレルギー学会(耳鼻咽喉科領域)認定施設であることから、アレルギー性鼻炎に対して内服治療で効果の出ない方には、積極的にレーザー治療(CO2)や手術療法(鼻中隔矯正術、粘膜下下甲介切除術など)を行っています。特に鼻閉の強い方にはレーザーや手術療法も提案しています。
さらに、好酸球性副鼻腔炎にはステロイド内服・点鼻療法や手術療法、また好酸球性中耳炎にはステロイド内服や鼓室内ケナコルト®注入も行っています。アレルギー性鼻炎、スギ・ダニの免疫療法等、詳細についてはご相談ください。 - 睡眠時無呼吸症候群
- 睡眠時無呼吸症候群(Sleep apnea syndrome:SAS)は上気道疾患(耳鼻科疾患)や循環器疾患などが原因で引き起こされます。当院では耳鼻咽喉科と内科で診察した後、携帯装置や終夜睡眠ポリグラフでの検査を行い重症の無呼吸であればCPAP(Continuous Positive Airway Pressure)を導入します。重症の方は保険適応となります。また手術の適応になる方も評価のため診察と検査が必要です。
診療の流れ・お問い合わせはこちら(PDF)
睡眠時無呼吸症候群について
日帰り・短期入院手術
- 鼻レーザー治療
- 花粉症などの時期に鼻閉の症状がある方には、鼻レーザー治療をおすすめしています。抗アレルギー薬の内服治療でも鼻閉が改善しない場合にも適応となります。外来で治療可能であり、約30分から1時間くらいの治療で終了します。個人差もありますが、小学生の高学年頃から可能です。
- 鼻ポリープ摘出術
- 鼻内のポリープ摘出術なら短期入院で、局所(または全身)麻酔で施行可能です。
- 顕微鏡下喉頭腫瘍(ポリープ)摘出術
- 基本的には全身麻酔で行いますが、短期入院で可能な手術です。
主な医療機器
耳鼻咽喉科手術ナビゲーションシステム
- Fusion社製 ENT ナビゲーションシステム
- 2018年導入
- 患者さんと手術器具の位置を三次元的に認識し、あらかじめ取り込んでおいたCTやMRIデータ上に手術器具の位置情報をリアルタイム表示します
高気圧酸素治療装置
- セクリスト社製 Model 2800J
- 2016年 2台目導入(他1台含め、計2台配備)
- 突発性難聴の患者さんに対し高濃度の酸素を吸入し、病態の改善を図る高気圧酸素療法を行います
メドトロニック社製 NIM Response 3.0 術中神経モニタリングシステム
NIMレスポンス3.0は専用のプローブを使用し、術中に顔面神経等の運動神経に電気的な刺激を与え、筋電活動の分析・解析を行うことによりモニタリングする神経刺激モニターです。4チャンネルを搭載し、同時に4つの運動神経分枝のモニタリングが可能です。
メドトロニック社製 Hydrodebrider System
ハイドロデブリッダーは慢性鼻副鼻腔炎におけるバクテリア除去を目的として開発されたPowered Irrigation Systemです。様々な研究により、バクテリア感染と慢性鼻副鼻腔炎は密接な関係があることがわかってきています。ハイドロデブリッダーシステムは手術室や外来で使用され、ディスポーザブルのハンドピースからは毎秒5mLの生理食塩水を適切な圧でスプレーします。
メドトロニック社製 IPC Integrated Power Console
IPCは耳鼻咽喉科領域の手術におけるマルチパワープラットフォームです。耳鼻咽喉科・頭頚部外科手術で使用できる多様なハンドピースをラインアップしています。
ストレートショットM4/M5ハンドピース
人体工学に基づき設計されました。コンパクトに改良されたストレートショットM5ハンドピースは操作性に優れており、より良い手術パフォーマンスを実現します。
IndigoTM Otologic Drill
2種類のアタッチメント(ストレート/アングル)による高いアクセス性と、最高60,000rpmの高速かつ十分なトルクにより素早いドリリングが可能です。細い形状は繊細な耳科手術に適したアプローチと視認性を実現します。
その他実施検査・手術など
- 検査
- 純音聴力検査、ティンパノグラム、重心動揺計、ENG、喉頭ファイバー、フレンツェル眼振モニター、異物摘出鉗子ファイバー、ABR、OAE、CT、MR、X-p、頸部エコーなど
- 手術
- 鼓膜形成術、鼓膜チューブ挿入術、耳瘻孔摘出術、唾石摘出術、耳介手術、内視鏡下鼻・副鼻腔手術、鼻中隔矯正術、粘膜下下鼻甲介切除術、鼻甲介レーザー焼灼術(CO2)、鼻骨骨折整復術、鼻出血止血術、扁桃周囲膿瘍切開排膿、顕微鏡下喉頭主要摘出術、声帯ポリープ摘出術、下咽頭腫瘍摘出術、正中頸囊胞摘出術など
スタッフ紹介
耳鼻咽喉科部長/突発性難聴センター センター長
河野 敏朗(かわの としろう)
- 専門
- 副鼻腔疾患、アレルギー
- 資格
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医・指導医、補聴器相談医、騒音性難聴担当医、音声言語機能判定医 / 日本アレルギー学会 専門医 / 日本医師会 認定産業医 / 横浜市立大学客員准教授
奥住 沙也(おくずみ さや)
- 資格
- 日本耳鼻咽喉科学会 専門医、補聴器相談医
WEB市民公開講座
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